ろまんくらぶ「仮面の天使」147

そんな茉莉の気持ちにも頓着せず、重要な「告白」をすませた教授はうつらうつらし始めると、そのままソファー席で眠ってしまう。それを見て彼女は深いため息をつくとスマホを鞄から取り出す。本当に久しぶりに親友の法子にメールしてみる。

「ごめん。ひさしぶり。元気してたかな?連絡しなくてごめんね」
メールを送信すると茉莉はスマホを伏せる。教授を起こしたくないので、マナーモードにしていた。5分もするとメールが返ってきたのかスマホが振動する。

「ひさしぶり。なんか心配していたの。何回かあの後、メールしたけど、返信なかったし」
茉莉はすぐに返信する。
「ごめんね。本当に」
すぐに電話がかかってくる。茉莉はスマホを持って、ちょっと喫茶店の外へ出る。
法子は相変わらず元気で真面目そうな声を出す。
「すごく心配してたの。実は」
「ごめんね。連絡しなくて、、」
「あの後、その、健さんと」
それを話したくなくて茉莉は法子に返事をする気になれなかったのだ。
「まあ、大丈夫。今は落ち着いたから」
「そう?でも声が元気ないよ」
法子はなんでもすぐに気づく。
「今度、お茶する?」
「いいよ。楽しみにしてる。積もる話もあるし」
法子はほっとして嬉しそうな声を出す。
「じゃあ、またメールするね。今日はもう夜中だから」
「うんうん。もう寝よっかなあって思ってたとこ。茉莉と連絡取れて安心した」
電話を終えると茉莉は店に戻る。教授はすやすやと寝息をたてている。風邪をひかないようにと彼のコートを体の上に彼女はそっとかける。

店は24時間やっているから、このまま朝までいても良さそうだった。とにかく教授をそっとしておこうと茉莉は思った。彼の発言を今は深く考える気持ちには彼女はなれなかった。

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