テーマ:恋愛小説

ろまんくらぶ「仮面の天使」238

運ばれてきたお茶菓子をアンディは食べ終わる。茉莉は化粧室へと席を立つ。その間に彼は会計を済ませる。 彼女は席へ戻ってくると、伝票がないことに気づく。 「あ、もしかして」 「うん。だって美味しいお店教えてくれたお礼。それに楽しいから」 「ありがとう。ごちそうさまです」 アンディのサラッとした態度は嫌味がなくて、茉莉には心地良かっ…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」237

美味しいのでアンディは結構な速さであんみつを平らげる。追加で何かを頼もうかとメニューを開く。それをチラッと見ると、茉莉はアドバイスする。 「季節の和菓子のセットはどう?お抹茶もついているよ」 「お抹茶って、苦いんでしょ?」 「うーん。好みだけど、甘い生菓子とは相性がいいよ。頼んでみれば?」 「そうしてみる」 店員を呼ぶと彼は季…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」236

「じゃあ、はいろっか」 「うん」 茉莉が先にたってのれんをくぐる。 「いらしゃいませ。2名様で。空いているお席へどうぞ」 「どこがいい?」 彼女に聞かれて、アンディは店内をぐるりと見回す。ちょうど4人がけの壁側の席が空いている。 「あそこがいいかな。どう?」 「良さそう。じゃあ、そこで」 ふたりはテーブルに着く。すぐに店…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」235

3時過ぎに授業が終わると、ふたりは銀座を目指して電車に乗る。4丁目の交差点をしばらく行くと、老舗のあんぱん屋さんがある。 「ねね、美味しそうでしょ」 茉莉は顔をほころばせる。 「うん。こんな感じのあんぱんって初めてかも」 「いろんな種類があるよ。試してみる?」 「うん」 アンディは嬉しそうにぱんを選んでいる。見るとお土産用に…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」234

今日は午後からの授業だったので茉莉は朝寝していた。2階からキッチンに降りると、やはり健は出かけていた。テーブルにはいつものように卵料理とサラダが準備してある。以前だったら、彼のために料理するのが嬉しかったのに、今ではなんだか立場が逆になっている。 冷蔵庫を開け、ミルクを取り出し、棚からミューズリーの箱を出そうとしてやめる。たまにはフレ…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」233

茉莉と京子は相談して、少し静かな、ひっそりとしたバーを選ぶ。店に入るとカウンターはいっぱいで、奥の席に腰掛ける。その方がゆっくり話をするには都合が良かった。 「何飲む?」 「バーボンの水割りかな私。ジャックダニエル」 京子が答えると、茉莉は少し考えてから、赤いカクテルを飲もうと思う。 「じゃあ、私はネグローニで」 「あ、それ、…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」232

フォークで出てきた肉料理をつつきながら、智子はおしゃべりを続ける。 「でさ、彼がさあ、卒業したら結婚しようっていうんだよね」 その言葉に茉莉と京子はドキッとする。 「え、早くない?」 「そーでもないよ。でもお、私はまだいいかなあ」 「仕事したいよね」 「うん。まあ、彼は仕事はしてもいいっていうんだけど、子育てとか手伝わなさそ…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」231

「ねー、混んでる」 「まあ、帰宅時間だもんね」 「新宿からまた人が乗ってくると思うけど、私たち降りるから」 「だね」 「でさ、そのクラブってカッコいいんでしょ?」 「まあね」 「食事とかは?」 智子は興味津々だ。 「軽いスナック程度しかないから、入る前にご飯かなあ」 「りょーかい」 4人はおしゃべりをしながら、混雑を…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」230

午後の授業が終わり、結局みんなで神田にあるサーフィン専門店へ向かう。流石に時期が早いのか、スポーツ水着が主流ではあったが、それでも少しだけリゾート水着のコーナーがあった。 女性用の水着が多くて、アンディは少し恥ずかしくなる。 「あ、ちょっとこっちに行くから」 彼は男性用の水着のコーナーへ向かう。 「え〜、待って。みんなで選ぼうよ…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」229

黙ってしまった京子はと言えば、視線をみんなからそらすように頬杖をついている。本音を言えば、今の彼とうまくいっているわけでもない。仲が悪いかと言えばそうでもないのだが、この頃なんとなく会話が減っているように感じていた。付き合いはそれなりに長いが、将来の展望も何もない。学生同士の普通の関係だった。お互いに大学院で、これからどうなるのか不透明…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」228

「でさ、アンディって泳げるの?」 「うん。まあ、いつもスポーツクラブ行ってるから」 「へえ、なんか、完璧じゃん。勉強もできるし」 戯けた調子で智子は続ける」 「完璧って、そんな。会社の手伝いとかもあるので、体調管理の一貫というか」 「会社って?」 「両親が会社経営してるから、その手伝いというか」 「それはそれは。将来は社長…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」227

「あ、僕はアンディです」 「知ってる。茉莉が話してくれた。ね。確か上海から来たって」 「うん」 答える彼はキラキラした雰囲気の茉莉の仲間に囲まれて、顔を赤らめる。 「座ってもいい?」 「もち」 「お邪魔じゃないかしら〜」 智子は調子づいてふざける。 「なわけないじゃん」 茉莉はキッパリ答える。アンディはちょっとがっかり…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」226

昼休み、茉莉は珍しくひとりで学食にいた。智子と京子は部活の用事があるため、あとで来ると連絡が入った。卵とハムを挟みトーストしてあるパンのサンドイッチとカフェオレを頼むと茉莉は窓際の席に腰掛ける。外は先ほどからの雨が降り続いていて、気分もいまいちだった。 「ここ、空いてる?」 彼女の席にアンディがやってくる。トレーには唐揚げ定食がのっ…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」225

「今日は、月曜だし、、」 彼女はクローゼットの中から明るめの色の服を選ぶ。 「これがいっかな?」 少しふんわりとしたシルエットの、膝丈のワンピースを取り出し、鏡の前に立つ。 「んーっと」 ランチ時にはみんなと相談して、週末行くクラブを決めて、それからアンディに伝えて、、、。何かとびっきりカッコイイ場所にしなくちゃと思う。彼の「…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」224

翌朝、茉莉が起きると健はもう出かける支度を整えている。よくよく見るとスーツがキマっていて、カッコイイのは否めない。茉莉は少し意識すると視線を逸らす。 「あ、おはよう」 ネクタイを締めながら、彼が視線を彼女へ向ける。 「おはよう。あの」 「ああ、メモ見たよ。タコパでしょ。いいんじゃない、たまには友達招いても。何かあれば協力するよ」…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」223

テレビを消すと茉莉は自室に閉じこもり、すぐにベッドに横になる。そのまま寝息を立て始めると、夜中に健が戻ったことにも気づかなかった。 戻った彼は顔を合わせずに、閉じこもっている彼女に、いつものことだと諦めのため息を吐く。彼女が自室にシングルベッドを入れてから、ふたりが夜一緒になることもない。ふたりの間にはどうにもならない距離がある。…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」222

でもそのうち茉莉は映画に夢中になり始め、ナンセンスなコメディにきゃっきゃっと大笑いする。彼女の笑い声に時折ポテトチップスをかじるパリパリとした音が混じる。伝説の英雄をここまで笑い者にした映画もないものだと、変なところで感心してしまう。で、スマホのランプが点滅して、着信音にも気づかなかったのだ。 「あー、笑えるー」 食べ終えたポテ…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」221

気がつくと茉莉は居間で眠っていた。映画はとっくに終わっていて、画面はスクリーンセーバー状態になっている。確かココナツの皮の部分を叩き合わせて、パカパカと馬の蹄の音を真似ていた箇所までは覚えている。 「ふう」っと彼女は伸びをする。ポップコーンが床に散らばっているし、チョコレートの箱もフタが開いたままだった。テーブルと床を片付けると、時計…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」220

炉心が昂り、ゆっくりと暖かな花芯へ進み、奥の唇へと達する。抱きしめられている彼はその柔らかな感触に魅入られる。 「あったかい」 内壁から伝わってくる彼の熱を感じ、彼女は愛おしそうにぎゅっと抱きしめる。彼と彼女の中心がぴったりと吸い付く様に、境目がないほどに溶け合う。彼は動かずにそのままじっとしていた。 しばらくしてから、ゆっくりと…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」219

勇は沙也をベッドまで運ぶと、そうっと彼女をシーツの上に横たえる。そして彼女の艶やかな唇に触れるくらいのキスを落とす。バスローブを少しずつはだけながら、指先でその滑らかな肌に触れる。彼女の唇を優しく割りながら、キスは徐々に深くなっていく。勇との初めての触れ合いに沙也の鼓動は激しくなっていく。 「あったかい」 そう呟くと彼女は彼の首…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」218

身体の熱を持て余しながら、勇が沙也の側から離れると、丁度玄関のベルが鳴る。ドアを開けるとモーニングセットを持って、ホテルのスタッフが待っていた。 「お待たせいたしました」 部屋へ入ってくるとスタッフは手際よくテーブルにセットを並べる。 「ご注文の品はこちらでよろしいでしょうか」 「ええ。大丈夫です。ありがとう」 「それでは失礼…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」217

身体の中に広がってくる熱を勇はなんとか抑える。 「おはよう。よく眠れた?」 「うん」 目をこすりながら沙也が答える。 「何か飲む?」 「うーんと、お腹空いた」 「ルームサービス頼む?」 このまま部屋から外へ出たくなくて、彼は提案する。まだビュッフェがやっている時間なのだが、着替えてしまえば、雰囲気が壊れそうな感じがしていた…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」216

朝の光がカーテンの隙間から漏れてくる。今日はどうやら快晴の様だった。沙也は隣でまだ寝息を立てている。 勇はベッドサイドにあるインターフォンでフロントに連絡する。 「チェックアウトを午後にしたいのですが。可能でしょうか」 「それでしたら半日プランがございますが。いかがいたしましょう」 「じゃあ、それで。それから朝食って何時までです…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」215

勇と沙也は唇をそっと離し、微笑み合う。 「私たち、これから始まるのかしら」 「うん」 彼はうなづく。 「なんだか眠くなってきちゃった。お酒まわったのかな」 「うん」 ふたりはベッドに視線を移し、それからまた見つめ合う。 彼女は彼からそっと離れると、バスルームへ向かう。彼女の後ろ姿をドキドキしながら、彼は見つめる。長い黒髪が…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」214

沙也は窓に近づき、外を見る。 「ね、ここ、夜景が綺麗。それに、予想通り素敵な部屋ね」 そう言う彼女の背中から寂しさが見え隠れした。でも、振り向いた彼女の表情は予想を裏切るものだった。 「なんだか、少しワクワクする」 「え?」 勇は意表をつかれる。沙也は嘘ではない笑顔を浮かべている。それから、ソファに座っている勇の隣にやってくる…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」213

ふらつく足で部屋に入り勇は扉を閉める。沙也とふたりっきりになると彼は途端に静かになる。右手でソファを指し示すと、とりあえず彼女を座らせる。彼女も酔っているのか、目つきがとろんとしている。 「まあ、とりあえず、何か頼む?」 「うん」 「シャンパン?」 「うん。あと何か食べるもの。ナッツとか、、。あと、うーん、甘いもの」 「マカロ…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」212

すると勇が酔った目で沙也をじっと見る。 「俺も帰りたくないかも」 言いながらカウンターにカードキーを差し出す。それを見て健は 「あーあ」 と勇の事情を察する。告って、上手くいけば、、、ってやつか、、。 「まさか、それってスイート?」 「ん?」 聞かれて勇はとろんとした目をしながらうんうんと頷く。本命彼女のために準備した特別…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」211

「仕事はどうしてたのかな」 勇は夜景を見ながらぽつっと呟く。 「仕事は、、、行ってたの。何の感慨もなく、黙々と働いていたの。感情のない亡霊みたいに」 「亡霊、、」 「うん。なーんにも感じなくなって、考えることもできなくて、目の前の書類を、ただただ片付けていただけ」 沙也はマティーニのグラスが空になると、バーテンダーに向かってグ…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」210

「まあ、明日は仕事だし、あまり遅くならない程度なら」 そう健は返事をしながら、沙也を見る。彼女は別段、困った様子でもない。 「いいわよ、私、明日も休みなの。実は、ふふ」 笑いがなんだか意味ありげだった。健はなんだか沙也が楽しそうにしているので、ほっとすると同時に不思議だった。 「じゃ、決まり。この近くのホテルの高層階に結構いいバ…
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ろまんくらぶ「仮面の天使」209

なんとか健は合コンをやり過ごし、5時過ぎにお開きになる。健は勇に気を使って、とにかく彼をどこかで一度休ませようと思う。 「私も付き合おうかな?」 沙也もなんとなくひとりになりたくないのか、追いてくる。失恋したばかりの勇には悪いけど、沙也が彼を慰めてくれないかなと健は都合の良いことを考える。3人はソファー席のあるカフェに入り、勇を座ら…
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