ろまんくらぶ「仮面の天使」305
なんやかんやで楽しい週末が近づいてきた。一週間は無事に済んで、茉莉、京子、智子は金曜日には荷造りをしてから、大学へ行き、放課後にはカフェでアンディの迎えを待っていた。
教授の身辺にも明るい兆し。彼の様子があまりに寂しそうだったせいなのか、長年秘書をしていた彼よりも少し年下の女性に食事に誘われる。以前にも誘われたことがあったが、確か断った気がする。今度は彼は断らなかった。ずっと一人で過ごすよりはいいのかもしれないと、少し行動パターンを変えてみようと思い始めていた。思えば研究の時にはいつも没頭して周囲のことが見えなくなっていた。秘書の女性はその彼の様子をそっと見守っていた。彼女は彼を学者として尊敬していたので、彼が素っ気なくてもあまり気にしていなかった。そういう控え目な女性だった。さすがに茉莉と教授のことを知ると落ち込んでしまったが、今は茉莉が離れていったので、正直ホッとしている。
「お仕事終わりましたか?」
「ああ。じゃあ出かけようか」
「はい」
言いながら、彼女は浮き立つ心を抑えられなかった。初めて彼が食事に応じてくれたのだから、当然かもしれない。彼女の人生にとって彼の側で静かに仕事をすることが何より大切だった。地味ながらも彼女はいつも清楚を心がけていた。彼の仕事の邪魔にならず、かといって女性らしさを失わない服装を心がけていた。襟元にちょっとしたレースがあしらわれていたり、小さなピアスをつけていたりと、よくよく見ると可愛らしい部分があった。今回、食事に誘われて、教授は初めて彼女のそんなところに気づいた。いつもそっと見守ってくれていた彼女の優しさに気づいた。
「お待たせ」
アンディが車が来たことを知らせにカフェへ来る。
「迎えが来たよ。早速行こうか」
「かしこまり」
「オッケー」
「で、着替えとか持ってきたよね」
3人はうんうんと頷く。4人が連れ立って移動する姿は大学ではこの頃見受けられる光景だったけれど、なんとなく目立っていた。
手配された車は大きくて、運転席を除いては7人乗ることができた。
「じゃ、運転手さんお願いします」
「かしこまりました」
アンディの配慮はあくまでスマートであり、さすがにその辺りは手抜かりはなかった。車はすぐに発車し、アンディの自宅へ向かう。彼の広い屋敷は綺麗に整えらえ、今か今かとゲスト達を待っていた。
その頃、智子の彼、拓実は既に六本木の喫茶店に着いていた。軽食を取ろうと席を探し、素早くそこに腰掛ける。金曜日の夜とあって店内は既に混雑していた。彼はもう実は指輪を買っていて、智子にいつプロポーズしようかとそればかり考えていた。智子は明るく素直で、ちょっとおしゃべりだけれど、一緒にいると元気になると彼は思っていた。考えながら自然とにやついてしまう。早く一緒に住みたいなと早る心を抑える。
京子の彼の修は、研究室に残っていて、なかなか出かけようとはしなかった。京子と一緒にいると彼女は強くてクールなので自信をなくしかけていた。そんな時に同じ研究室に入ってきた百合は可愛らしく頼ってくれるので彼は心を動かされた。何くれとなく彼女の世話を焼いている内に距離が縮まった。それを思うと、修は今日も百合が来るのを研究室で実は待っていた。だから夜にクラブに行く約束をしていてもあまり気乗りはしていなかった。
実際、嵐はそこまで近づいてきていた。
教授の身辺にも明るい兆し。彼の様子があまりに寂しそうだったせいなのか、長年秘書をしていた彼よりも少し年下の女性に食事に誘われる。以前にも誘われたことがあったが、確か断った気がする。今度は彼は断らなかった。ずっと一人で過ごすよりはいいのかもしれないと、少し行動パターンを変えてみようと思い始めていた。思えば研究の時にはいつも没頭して周囲のことが見えなくなっていた。秘書の女性はその彼の様子をそっと見守っていた。彼女は彼を学者として尊敬していたので、彼が素っ気なくてもあまり気にしていなかった。そういう控え目な女性だった。さすがに茉莉と教授のことを知ると落ち込んでしまったが、今は茉莉が離れていったので、正直ホッとしている。
「お仕事終わりましたか?」
「ああ。じゃあ出かけようか」
「はい」
言いながら、彼女は浮き立つ心を抑えられなかった。初めて彼が食事に応じてくれたのだから、当然かもしれない。彼女の人生にとって彼の側で静かに仕事をすることが何より大切だった。地味ながらも彼女はいつも清楚を心がけていた。彼の仕事の邪魔にならず、かといって女性らしさを失わない服装を心がけていた。襟元にちょっとしたレースがあしらわれていたり、小さなピアスをつけていたりと、よくよく見ると可愛らしい部分があった。今回、食事に誘われて、教授は初めて彼女のそんなところに気づいた。いつもそっと見守ってくれていた彼女の優しさに気づいた。
「お待たせ」
アンディが車が来たことを知らせにカフェへ来る。
「迎えが来たよ。早速行こうか」
「かしこまり」
「オッケー」
「で、着替えとか持ってきたよね」
3人はうんうんと頷く。4人が連れ立って移動する姿は大学ではこの頃見受けられる光景だったけれど、なんとなく目立っていた。
手配された車は大きくて、運転席を除いては7人乗ることができた。
「じゃ、運転手さんお願いします」
「かしこまりました」
アンディの配慮はあくまでスマートであり、さすがにその辺りは手抜かりはなかった。車はすぐに発車し、アンディの自宅へ向かう。彼の広い屋敷は綺麗に整えらえ、今か今かとゲスト達を待っていた。
その頃、智子の彼、拓実は既に六本木の喫茶店に着いていた。軽食を取ろうと席を探し、素早くそこに腰掛ける。金曜日の夜とあって店内は既に混雑していた。彼はもう実は指輪を買っていて、智子にいつプロポーズしようかとそればかり考えていた。智子は明るく素直で、ちょっとおしゃべりだけれど、一緒にいると元気になると彼は思っていた。考えながら自然とにやついてしまう。早く一緒に住みたいなと早る心を抑える。
京子の彼の修は、研究室に残っていて、なかなか出かけようとはしなかった。京子と一緒にいると彼女は強くてクールなので自信をなくしかけていた。そんな時に同じ研究室に入ってきた百合は可愛らしく頼ってくれるので彼は心を動かされた。何くれとなく彼女の世話を焼いている内に距離が縮まった。それを思うと、修は今日も百合が来るのを研究室で実は待っていた。だから夜にクラブに行く約束をしていてもあまり気乗りはしていなかった。
実際、嵐はそこまで近づいてきていた。
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