ろまんくらぶ「仮面の天使」163

食事を終えると彼女達3人はクラブに入る。そこは以前から茉莉が訪れていた場所で智子と京子も一緒に来たことがある。
「ね、何飲む?」
茉莉は常連だったので顔パスで他の2人と一緒にVIP席に案内される。
「ご注文は?」
「んーシャンパン。ボトルで」
「銘柄はいかがいたしますか?」
「クリコで」
「かしこまりました」
「無難でしょ?」
茉莉は智子や京子に同意を求める。
「まあね」
「でも、ここ、豪華だよね」
「まあ、そうかも」
「確か、地下にプールもあるよね」
「まあね。水着のウェイトレスさんがいるんだっけ?」
「ん」
「誰でも入れるの?」
「あー。VIP専用で、予約が必要かな。デッキチェアとかテーブルとかの」
「そうなんだ」
「ねえねえ、茉莉はプール入った?」
「ないよ」
「えー、もったいない」
「じゃあ、今度試してみる?」
「ぜひぜひ」
「オッケー」
「お待たせいたしました」
黒服がシャンパンを運んでくる。細長いグラスにキラキラした液体が注がれる。
「ごゆっくり」
「じゃ、かんぱ~い」
「かんぱ~い」
「かんぱ~い。長い夜に」
3人はグラスを合わせるとシャンパンを飲み干す。すぐにボトルが空になる。
「もう一本頼もっか」
茉莉が黒服を呼ぶと追加注文する。
「ちょっと踊ってくる」
彼女は一足先にフロアに出る。
京子と智子は席で2人になる。
先に口を開いたのは智子だった。
「ねえ、ねえ、この頃、茉莉ってば時々ノリ悪くない?」
「ああー、うん。かもしれない」
「時々暗い顔してるし。前と違う」
「前って、、、もしかして10日間位だっけ?体調不良で確か休んだ」
「そう。それ以来なんとな~く」
言われて京子は少し考え込む。彼女はお酒には強くて冷静なのだった。
「これは、思い違いかもしれないけれど」
「うんうん」
「もしかして、なんか腐れ縁の男性とのことが関係あるのかも」
「腐れ縁?」
「ほら、茉莉ってば酔っ払うとちょっとおしゃべりになって」
「ああ、以前も愚痴っていた、確か幼馴染とかなんとか」
「そう。それで、この間バーで、今一緒にいるんだーとかって」
「え?別れたってグダグダ言ってなかったっけ?」
「それが、なんか、今一緒に住んでるみたい」
「それって、ちょっとおかしいよね」
「だね。何かあるんじゃないかって思う。うちらにも話せないこととか」
京子の鋭い意見に智子は頷く。

フロアーに出た茉莉は酔いに任せてふわふわくるくると回転している。

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