ろまんくらぶ「仮面の天使」165

京子の少し強引な提案に茉莉は躊躇する。もしお泊まり会になったら否応無く健のことを彼女達に知られてしまう。それとなく話したことはあっても紹介したことはない。それに茉莉は京子と智子に詳しい事情は話していないし、話す気もあまりない。茉莉自身、今でもズキズキと痛む時のある、深い傷跡を2人に知られたくはない。

かといって、お泊まり会を断ったり、せっかくのタコパ提案を拒否するのもなんだか気が引ける。茉莉は頭の中で健のタイムスケジュールを思い浮かべる。でも考えても、この頃はよそよそしくしているせいで、彼の予定を把握できていない。どうしたらいいのだろうか、、。何か良い案はないかと彼女はぐるぐる考える。

「茉莉?茉莉ってば」
智子に呼ばれて茉莉ははっとする。
「タコパ嫌かなあ」
京子は探るように茉莉の表情を見る。
「え、嫌じゃやない。大丈夫だよ。面白そう」
ちょっととってつけたようなトーンになる。
「じゃあ、いつがいいかなあ」
智子が問いかける。
「そうだね、、、えっと」
茉莉が言いよどんでいると、京子が提案する。
「来週末とかは?金曜日の夜とか」
「うーん。大丈夫かなあ」
えーいこうなったら当たって砕けろと茉莉は返事をする。
「じゃ、決まりね。来週の金曜日。大学に道具持ってくるから」
「重くない?」
「たいしたことないよ。たこ焼きプレートだけ。あとはみんなでスーパー行こう」
京子はテキパキと予定を立てる。

茉莉は、どうせ健は夜7時までは早くても帰っては来ないから、その前にダイニングでタコパして、あとは部屋へこもっておしゃべり会すればいいやと思う。もし、みんなが彼と顔を合わせることがあっても、適当に紹介しておけばいいやと考える。
「でも、茉莉って確か、幼馴染くん?と暮らしてるんだっけ」
京子は突っ込んでくる。
「あ、まあ、保護者みたいなもんだから」
茉莉ははぐらかす。
「そうなんだ」
京子は納得した風を装うと智子に目配せをする。とにかく今回の目的は、その「保護者くん」を探ることにあったからだ。

この記事へのトラックバック