ろまんくらぶ「仮面の天使」159

茉莉が行ってしまってから、アンディは少しぼーっとなっていた。春めいた陽気に当てられ、なんだかふわふわした気分になってきていた。日本の大学に来てからというもの、授業についていくのは大変だった。元々はアニメオタクの彼だから、日本語の内容はそこそこ理解はできていた。日常会話には不自由はしなかったけれど、欧米の知識を要求される授業内容には食傷気味だった。彼は図書室で、早速茉莉に教わった部分が載っているという書籍を探す。貸し出しの受付で、いつものようにカードと一緒に提出する。その後は遊びに行くこともなく帰宅して、いつものように執事のいれた紅茶を飲むと、読書に夢中になっていた。

待ち合わせた友人達と合流すると、茉莉は今夜は渋谷に行こうと言いだす。
「渋谷かあ、、」
「あ、でもそうだっけ、グランピングしたいって」
「いいよ、まだもうちょっとあったかくなってからで」
「そうだね。まだ寒いし。それって予約必要なのかな」
「しといた方が無難かも」
「じゃあ、任せる」

いつものように3人で、ちょっと派手めに歩く。スクランブルの賑わいをするすると抜けていく。センターを抜けて奥の細い道を入ったところにいつものクラブがある。顔パスの3人はいつものようにVIPルームに通される。
「いつもの男性の方達は、この頃いらっしゃらないのですね」
「ああー彼ら?えっとーやめたの。一緒にいるの」
というか茉莉の弟と健が遠ざけたのだった。それも茉莉に一言もことわらずに。思い出して彼女はむくれる。
「えー茉莉ってばあ、何頼む?」
「んー、カンパリ。あとピザでも頼む?」
「オッケー」
3人はそれぞれバラバラに飲み物を頼み、あとは適当に食べるものを頼む。なんだかぼんやりとして機嫌の悪くなった茉莉をあとの2人は首を傾げて見ている。

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