ろまんくらぶ「仮面の天使」148

少し眠ろうと茉莉もソファーにもたれるが、頭がはっきりしていて目をつぶっても眠りはおとずれない。彼女は目を開けると周囲を見回す。

眠っている者、起きてアプリをいじっている者、おしゃべりを続けているグループ、ひとりで静かに座っている者、、、皆、それぞれだった。茉莉は手で合図をするとウェイターを呼ぶ。
「ホットミルクください」
「かしこまりました。お連れさまはおやすみで」
「うん。疲れてるみたい」
「そのようですね」
店のウェイターはいつも穏やかだ。

しばらくするとホットミルクが運ばれてくる。湯気が温かそうに立ち上る。茉莉はそれをひとくち飲むと、眠るのを諦めて、スマホのアプリゲームを開く。いつも遊んでいるバトルゲームの続きを始める。しばらくはそれで気を紛らわしていたが、頭痛がしてきて、ゲームをやめる。

始発まではまだ時間がある。教授はすやすやと子供みたいな寝息をたてている。彼女は彼の寝顔を見て軽いため息をつく。

しばらくすると彼女も眠りに落ちる。始発を待つ人々のための喫茶店はだんだんと静かになっていく。そんな客の様子を店のマスターは静かに見守る。

誰にだって眠る場所は必要なのだから、、。

この記事へのトラックバック