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zoom RSS ろまんくらぶ「仮面の天使」106

<<   作成日時 : 2018/01/10 10:56   >>

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大学に着くと茉莉はいつものようにカフェに立ち寄る。眠気がまだ残っているのでコーヒーを頼む。
「ブレンドお願いします」
「少々お待ちください」
カップを受け取るとソーサーに乗せ、砂糖とミルクを添える。友達がいないかなとぐるっと見回すが、今日は誰も見つからない。窓際のいつもの場所に席をとると、彼女は腰掛ける。室内の暖かさのせいか、なんとなくふわふわした気持ちになってまた眠気がやってきそうだった。ぼんやりしているとまた恋愛のことを考えてしまう。雅也に健に教授、、。茉莉は深いため息を吐く。
「なーんかね」
つい独り言になる。
「なんか、この頃、どうでもいいかなあ、、」
彼女はなんだか恋をする気力を無くしかけていた。だいたいなんで誰かと付き合わなければならないのだろう。もの思いにふけり始めると、とりとめのない感情に満たされる。健に夢中になっていたあの頃、、、何も怖くなかったし、何の躊躇いもなかった。でも、今は、、。茉莉はコーヒーの中のスプーンをぐるぐる回す。
その時、遠くから智子がやってくる。
「茉莉〜みっけ」
「おはよう」
茉莉は笑顔で答える。
「おはよう、ってもうお昼だね」
「何か食べた?」
「うん、家でちょっと、、」
「私まだなんだ」
智子は学食のメニューにさっと目を通す。
「次授業あんの?」
コーヒーを一口飲んで茉莉は聞く。
「ん、ないよ。次は」
「そっか。私次あるから、あんまり長く居られないけど」
「わあった。じゃ、何か取りに行くから」
智子は席を離れる。友達がいてくれるのはいいものだと茉莉はほっとする。さっきまでのモヤモヤがすうっと消えてなくなる。ひとりでいると余計なことを考えてしまうみたいだと頭の前のハエを追い払うような仕草をする。
「お待たせ」
「何にしたの?」
「グラタン」
「美味しそう」
「一口食べる?」
「ちょっとだけ」
茉莉は智子の差し出すスプーンを手にとってグラタンをひとすくいする。
「ん、おいし」
「いっただきまーす」
「あ、私もう行かなくっちゃ」
「んじゃね。ね、夜はどうすんの?」
「あ、教授と」
「はいはーい」
了解ってな感じで智子は返事をする。

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