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zoom RSS ろまんくらぶ「仮面の天使」98

<<   作成日時 : 2017/11/08 11:16   >>

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「静香、、」
「何?」
この頃では雅也は静香の存在に慣れていて、以前に比べて親しげにしてくる時も増えていた。静香はそれに応えているのかいないのか、笑顔の仮面を崩さない。柔らかい笑顔、、、瞳は笑っていない、、。
「何?雅也、、」
「今度の年末はどう過ごそうか」
「コンサートは?」
「今年は年末はやめるよ、、、今度のコンサートで、、、後はしばらく創作に入る」
雅也の創作時期、それは静かな時間。ふたりっきりなら落ち着いた空間。もし、そこに別の女が入ってきたら、それは静香にとって嵐の時間。苦しみの時間へと変わる。創作期間は雅也の狩りの時間でもある。目ぼしい女に声をかけ、誘いにのってきた女を巧みに手にかけていく。でもそれは創作のためのタネでしかなかったりする。女達は彼と夜を過ごしたが最後、遠ざけられ、傷つけられ、プライドをへし折られる。彼の創作のためにはいつもピリオドが必要で、付き合う女を遠ざけた後、楽曲の最終章がまるで恋の余韻の様に描かれ創られる。
だから、彼の恋には毎回終わりが必要なのだった。

静香の時もそうだった。

あの時の雅也の曲は、どこかピュアで透明なクリスタルの様で、でもプラスチックな硬さがあった。そして最後にそれを崩す様に静香を遠ざけ、彼女とは真逆の女達に手を出し、ドロドロとした曲を次に創ろうとしていた。彼は音楽の中に情念を顕そうとしていた。

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